マーケティングやデザインの前に、もっと手前にある問いがある。
──「結局、自社の強みは何なのか」。
それに答えられる状態をつくることが、言語化と伝達設計です。
世の中には、Web制作会社も、ブランディング会社も、コンサルタントも、コピーライターも数多くいる。
けれど、その多くは「伝える手段」の話で止まっている。
手段の前には、必ず前提がある。「何を伝えるのか」「自社の強みはどこにあるのか」という、事業そのものの理解だ。ここが曖昧なまま手段だけを磨いても、出てくるものはどこかちぐはぐになる。
企業は成長するほど複雑になっていく。商品が増える。サービスが増える。顧客が増える。メンバーが増える。情報量は確実に増えていく。
その結果として、もっとも大切なはずの「結局、自社の強みは何なのか」が、社内でさえ曖昧になっていく。
それぞれの場面で、少しずつ違うことを言い始める。言葉がそろわない。強みの説明がブレる。これは現場の努力不足ではない。
企業は成長するほど、扱う情報の量が増えていく。商品もサービスも機能も顧客も増え、語るべきことは年々多くなる。
しかし──情報量が増えることと、伝わることは、まったく別の話だ。むしろ成長すればするほど、輪郭はぼやけていく。
たくさんの良いものを抱えているのに、それを一本の筋で語れない。結果として生まれるのが、「良いサービスなのに、伝わらない」という状態である。
企業から寄せられる相談は、たいてい「制作物」のかたちをしている。Webサイトを作りたい。パンフレットを作りたい。SNSを強化したい。営業資料を作り直したい──。
ところが、実際に話を深く聞いていくと、本当の課題は制作物ではないことが、ほとんどなのだ。
言語化を、キャッチコピーづくりだと思っている人は多い。きれいな言い回しを探すこと、印象的なフレーズを当てること──それは言語化の結果であって、本体ではない。
言語化とは、もっと手前の、地味で本質的な作業だ。
つまり言語化とは、
事業を深く理解するための行為である。
言語化によって事業理解が深まると、その先のあらゆる施策の精度が上がっていく。これらは別々の話に見えて、すべて同じ一つの理解から枝分かれしている。
事業理解が深まると、まず自社の輪郭がはっきりしてくる。強みが明確になり、判断の基準が定まり、優先順位がつけられるようになる。
すると見えてくるのは「何をやるべきか」だけではない。それ以上に重要な、「何をやらないべきか」が見えてくる。
やらないことを決められる経営は強い。言語化は、その決断の精度を底上げし、事業の方向性そのものを定まりやすくする。
経営判断の精度が高まり、事業の進む先が定まる。
私はこれまで長く、ゲーム企画、UI/UX設計、サービス設計に携わってきた。畑は違っても、根っこにある問いはいつも同じだった。
UXとは、つまるところ──
「相手がどう理解するか」「相手がどう感じるか」「相手がどう行動するか」を設計する仕事である。
事業も、まったく同じだと思う。価値そのものを磨くだけでは足りない。その価値がどう伝わり、どう受け取られるか、その因果関係までを設計して、はじめて届く。
だから私は、強みの言語化だけで終わらせない。そこからさらに一歩、伝達の設計まで踏み込んでいる。
言語化は、今あるものを綺麗な言葉に置き換える作業ではない。事業を整理し、理解を深め、これから取るべき選択肢を見つけるための作業だ。
強みが整理されると、これまで曖昧だった判断が、ぐっとしやすくなる。
価値を伝える手段は、いくらでもある。ホームページ、営業資料、採用資料、展示会、SNS、動画、プレゼンテーション──。
けれど、何を伝えるべきかが整理されていなければ、どの手段を使っても伝わらない。
逆に、事業の理解が深まり、強みが整理された状態であれば、どの媒体に展開する場合でも、中身は驚くほど作りやすくなる。土台が一つだから、すべてが同じ方向を向く。
良いサービスが伝わらない理由は、
価値がないからではない。
価値が、整理されていないからである。
そして、整理されていない価値は、どれだけ手をかけても伝わらない。
言語化とは、言葉を作ることではない。
事業を理解し、整理し、構造化し、伝わる状態をつくること。
それが、強みの言語化と伝達設計です。
まず、ビジネスの強みの言語化から取り組みます。単発でも、伴走型でも。そこから必要に応じて、伝達設計へ。ここまではコンサルティングとしての関わり方です。
そして、その先にデザインや制作が必要になったときは──専属のデザイン顧問を置くように、実際の制作・実行までまるごとお任せいただくこともできます。あくまで起点は言語化。必要な分だけ、その先まで頼れる関わり方です。
ビジネスの強みを掘り下げ、整理し、言葉にする。すべての起点となる工程です。
言語化した価値が、どう伝わり、どう受け取られるか。その設計まで踏み込みます。
自社の強みを、一度きちんと言葉にしてみませんか。
制作の前の「整理」から、お気軽にご相談ください。